ASCENT-zouho2022
4/32

第1部観測・実験に基づくサイエンス惑星の運動ティコ・ブラーエによる観測近代科学では、観測や実験によって得られたデータを分析することによって新しい現象を発見したり、法則を見出したりします。その例として、惑星の観測からニュートンによる万有引力の法則の発見に至った歴史を振り返ってみます。 夜空に輝く星の中には、北斗七星のように星座の形を変えずに日周運動をする恒星と、恒星との位置関係を刻々と変えながら運動する惑星があります。右図は地球から見たときの火星の位置です。恒星はこの図の上で静止していますが、火星は日々位置を変え、逆向きに運動することもあります。 ティコ・ブラーエ(1546-1601)は、デンマーク王の援助を受けて天体の位置を精密に測定しました。特に、16年間にわたる火星の位置の観測データを残し、これが助手のケプラーに受け継がれました。01東西北南逆行4

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る