ASCENT-zouho2022
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第1部巨大データを用いたサイエンス02科学研究データの巨大化天文観測の精密化コンピュータネットワークの発達に伴い、膨大なデータを短時間で取得することが可能になってきました。たとえば、携帯電話を用いて、人の移動の様子を把握することができます。商品の購入情報なども瞬時に集めることができます。 科学研究に用いられるデータも巨大化しています。20世紀末に行われたヒトゲノム計画では、人間ひとり分のDNA配列(約60億ビット)を10年間かけて解読しました。現在ではDNAシーケンサーを用いて1日で解読でき、病気の原因の解明や治療法の研究に活用されています。 天文学においては、人工衛星を用いた大気圏外からの観測や、大気揺らぎを補正する技術の発達によって高い解像度が達成され、得られるデータ量が増大しています。 たとえば、GAIA衛星は10億個以上の恒星の位置を正確に測定しました。地球が太陽のまわりを回転するにつれて星の位置が変化することを用いて星までの距離を測定することができます。銀河系内の恒星の観測データをもとに、銀河系が過去に他の銀河と衝突した痕跡などが見つかっています。GAIA衛星のデータに基づく全天画像。光の帯は天の川。https://www.cosmos.esa.int/web/gaia/gaiadr2_gaiaskyincolour6

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